子供の不登校は、親にとって大きな悩みです。
果たしてどのように接するべきなのか、どのような心構えを持つべきなのか。そんな尽きない悩みについてお教えします。
・不登校の子供にどう接するべきか
・不登校をどう捉えるべきか
・不登校の期間及び克服の糸口
・中学生の持つ悩みと不登校の関係
・不登校の子供にどう自信をつけさせるか
以上のことを具体的に理解していきましょう。
Contents
親の子供への関わり方は、不登校と関連する
子供は親を頼りにします。頼りになる親は、子供のことを気に掛けています。
気に掛ける内容が、勉強のことばかりになっていませんか。
子供が親に気にして欲しいのは、学校でどのようなことを楽しんでいるのか、嫌だと思っているのか。
どのような交友関係を築いているのか。何が好きで嫌いなのか。そういった、心の動きについてです。
親が自分の頭の良し悪しや、親自身の問題に手一杯で余裕がなければ、子供は遠慮してしまいます。
普段から、子供の話を聞く時間を持つ。
当然のように思えますが、それこそが子供が頼れる親だと思えるからどうかの大きな分岐点です。
子供の友達、先生、好きなもの、嫌いなもの。それらの変化を、親が自分の話から感じ取れているかどうかを子供は常にアンテナを貼って感じています。
そして何より、子供考え方、感じ方をきちんと理解しているでしょうか。
こうされるのは嫌だと言われたことを、同じような状況で繰り返せば子供からの信用は落ちていきます。
子供は、親のこのような部分から愛情を感じ取ります。愛情が感じられなければ感じられないほど、子供は抱える悩みを自分の内側に溜め込みます。
家での過剰なストレスに加えて学校生活でのストレスが加われば、些細なことでも耐えることが難しくなります。その結果として不登校になります。
ですからまずは、子供が家でリラックスできるように親も家でリラックスできる環境を作ってください。そして子供が自分の話をしやすい時間を作ってあげてください。
親が自ら学校生活のことを聞くでもいいですし、子供が話し始めたら最後まで聞くことです。何かをしながらでもいいので、きちんと返事をして内容を覚えておくようにしてください。
親が子供のことを気に掛けていることを、言葉と態度で示してあげれば、子供の不安は大きく減るでしょう。常に仲良く喧嘩をしないということではなく、喧嘩をしても仲直りできる、信頼が崩れない関係であるということです。
家での悩みがないだけで、子供は学校生活での不安や悩みを自分自身の力で乗り越える勇気がわくものです。
不登校は甘えではない
不登校を甘えだと考える人がいますが、大人でも合わない職場に居続ければ心の病気になったり通勤を一度止めることがあります。職場自体を変える人もいます。
子供はどうでしょう。
子供は例え自分で限界を決めて、それを越えたから休みたいと思っても、最終的に休むことを親に許可して貰わなければいけません。もし子供が体調不良でない時に休みたいと言い出した時、頭ごなしに否定するものではありません。
大人だって同じような考えになる時だってあるのに、子供だから許されないではたまったものではありません。
だから、まずは話を聞く姿勢を取りましょう。
子供の気持ちを受け止める用意があり、親が味方であると感じることは強い安心感に繋がります。それだけで力が湧いて学校に行ける子供もいるでしょう。
もちろんそうでない子供もいます。ですが、気持ちを受け止め手もらえた大きな一歩があるかないかでは全く立っているラインが違います。
さらにプラスで子供が学校の何が嫌なのかを聞き、もし今日一日休んだらどれくらいまた頑張れるかを聞きましょう。約束の日数を決めて、そこから先は自由に一日休む日を作っても良いと決めてしまえば、子供の心に大きな余裕が生まれて、踏ん張れる度合いも変わります。甘えと決めつけて無理矢理行かせるのでは、不登校になるまでの期限を力づくで引き伸ばすのと同義なので止めましょう。
不登校を克服するには、一般的に3か月〜1年かかる
あくまでも、これは一般的な数字でしかないことを理解しておいてください。
私の姉は不登校の経験を持っていますが、その期間は約6年です。
学生の時の同級生にもいましたが、その人は1年生の時から卒業の3年生になっても、学校に再び来ることはありませんでした。その後は私は知らないので、その人がいつ克服したかはわかりません。
私の身近な不登校になった人達は、1年程度では克服をできませんでした。
私の姉の場合では、親が姉の不登校を受け止める心がなく、幼い中で強く否定し続けたことは長引かせた要因だったのではないでしょうか。理解のある先生と出会い、同じ境遇の友達ができても不登校の克服は簡単ではありませんでした。
さらに学校に通えるようになった後も、休んだり行けたりを繰り返す期間もありました。
学校へ一度行けなくなった子供が、何日も通っただけで大きな一歩です。これを認めず、これぐらい出来て当然という思いを見せれば、学校に通っても通わなくても怒られる状況に、また心を閉じてしまうかもしれません。
学校への数年には目を瞑り、将来の何十年を明るく過ごせるように支えることに徹しましょう。
例え勉強が遅れても、それは後に子供自身が補うことができます。しかし心の成長は周りとの関わりによって育むものです。大人になってから自力で身につけるには、周りの環境や人に恵まれなければなりません。
子供が大人になってから無駄な苦労をしないよう、成長期の今に心が健全に育っているかを気にしてください。
子供に温かい人間関係と笑顔と自信を与えてあげてください。そうすれば、自ずと周りと交流をする機会を求めて外の世界に飛び出していくでしょう。
中学生で不登校の子供が増えるのはなぜか
小学生から中学生への変化はとても大きなものです。
体は大人と遜色ないものへとなっていき、心も今までよりも一人の人間として成長する為の思春期を迎えていきます。さらに学校生活では、もちろん授業内容もより高度に難しくなります。
しかし、それよりも大きな違いは上下関係の発生です。小学生の頃は、自分より大きな学年や先生を相手にしても気楽に接していられました。そこから、急に自分より年上の人は偉いという価値観へと変貌します。遣ったことのない敬語や、年下の人が率先して物の準備や片付けをするなどの暗黙のルールに従うことに慣れる必要があります。
さらに多くの中学校は小学校の時よりも人数が増えます。新しく人間関係を作り、小学生の頃とは変わっていく友達付き合いにも馴染んでいく必要があります。
自分自身の変化に加えて、周囲の環境もこれほどに変わります。
上手くその変化を飲み込めずに悩んだり、今までからの変化に疑問を持ち前に進めなかったりする子供は当然生まれます。その為に、学校に通うことを苦痛に感じたり窮屈に感じたりし続ける結果、不登校という形になる子供が現れるのです。
大きな変化に戸惑っていないか、苦痛に感じることはないか、よくよく子供の話を聞く時間を作りましょう。
もし子供が悩んでいたら、中学時代でなくても良いので親自身が似たような経験で悩んだことがあるという話をしてあげてください。悩みができると孤独感が増すものなので、同じことで悩むのは誰でも当然のことと思えると変化を受け入れる心の準備ができるものです。
不登校な子供は自分が嫌いになる
これは当然の結果です。
なぜなら、不登校の子供たちは自分が、学校に通うという同じ年頃の子供たちの多くが当たり前にできていることができないという劣等感を持っています。加えて、不登校であることを親から糾弾されれば、学校に通えない劣等感をさらに強めて子供からさらに自信を奪うことに繋がるからです。自分で自分を責め、親からも責められれば、そんな子供は自分のことを嫌いになって当然と言うものです。不登校になると、今まで仲良くしていた先生や友達の中でも冷たい反応を取る人もいるかもしれません。
これら全てが重なってしまえば、子供は自分の居場所を家にも学校にも見い出せなくなります。
どこにいても息苦しさを覚えていては、不登校に立ち向かうどころではありません。
だからこそ親が、例え不登校になっても子供に愛情を伝え続ける必要があります。
まずは家を子供が居場所だと、はっきり感じられるようにしましょう。例えば掃除や洗濯、料理などの家事を教えて、子供に何か家での仕事を持ってもらいます。
綺麗に掃除ができていたら、「○○のお陰で、部屋が綺麗で気持ちが良いね」や、料理を作ってくれたら「○○の料理はすごく美味しくて力が湧いてくるね」と褒めて、小さなことから自信をつけさせましょう。
もし家事が得意ではないなら、まずは家の中でできる絵や裁縫、編み物のような趣味を持ってもらいます。一から自分で物を作り出すと、達成感が生まれます。もしも使える物を作ったなら、子供の見ているところで使ってください。使えない物でも、その出来を褒めましょう。これも小さなことから自信をつけることができます。
不登校になる子供の多くに足りないのは、今いる場所で上手くやっていく自信です。
学校で上手くいかないことがあっても、心の支えとなるような得意なことや役割を見つけてあげることは、自分の足で立って進む力を育んでくれるでしょう。
原因のわからない不登校。子供との接し方や克服法を徹底解説! まとめ
子供の不登校の因果関係全てに、家庭環境が上がりました。
それほどまでに家での過ごし方は、子供の心に影響を与えるということを意識してください。
・子供が家でリラックスできるように、親がリラックスできる空間を作る
・親が、子供がその時に好きなものや嫌いなものなどを知る
・子供と親が話し合う時間を作る
・家で子供の役割や趣味を作る
・子供の気持ちを無視して、学校に行くことを強制しない
・子供の人格を否定しない
・子供を褒める回数を増やす
え?こんな当たり前のこと?と思うかもしれませんが、思い返してみると意外もできていないものです。家族関係の当たり前が崩れるから、学校へ通うという当たり前も崩れると意識してください。